ふらい人書房 MOSTLY BAMBOO
商品概要
- 阪東幸成/著
- 洋書の標準サイズなので、日本の書籍でいう通常のA5版よりも一回り大判です。
- 本編(357ページ) 『別冊付録日本語版』212ページ
本書『MOSTLY BAMBOO』は海外の読者を想定しており、全編が英語で書かれていますが、日本の読者用に別冊付録として日本語翻訳版が付いてきます。通常の書籍形態とは異なるため、その点をご留意の上ご購入くださるようお願いいたします。
日本でフライフィッシングが盛んになるにつれ、日本からは多くの釣り用品が世界に輸出されるようになりましたが、その多くはナイロンやフロロカーボン、浮力剤といった化学工業製品や釣りばり等の消耗品であり、花形であるところのロッドやリールは日本国外に出て行くことはほとんどありませんでした。その貿易構造は昭和、平成、令和とそのままに引き継がれて現在に至っており、フライロッドやリールに関しては貿易赤字どころが、鎖国しているのではないかというレベルでさえあります。
そもそも貿易以前に、優れたフライロッド・メーカーがたくさんありながらも、海外ではほとんど知られていないというのが現実なのです。日本のフライロッドメーカー、ことにバンブーロッド・メーカーが零細企業どころか、ほとんどが個人事業であるため、世界に目を向ける余裕がないという事情もありますが、この日本のフライロッドメーカーに関する情報が外に出て行かないという状況を突破して、日本の優れた竹竿製作技術を世界に向かって発信しよう、というのが本書の最大の眼目です。
バンブーロッド・メーカーを中心に、ファイバーグラスロッド、グラファイトロッドを製作しているメーカーの現場を取材し、独自の素材や製法、じっさいに製作者がどんな風に釣り場で使用しているかなど、あらゆる情報が数多くの写真とともに余すことなく紹介されています。また取材をしながら著者自身が理想のフライロッドについて、ときに深刻に、ときに軽薄に考察を進めるサイド・ストーリーは読み物としても愉しめる内容で、海外のフライフィッシャーだけではなく、日本のフライフィッシャーにも大いに喜んでいただけると思います。