◆釣遊記◆
AWJの釣行記/2013年春後編
水位と水色、まだ落ち着いてはいない川。5月の下旬、誰もが攻め倦む水況。だからこそ、ゆっくりと気ままに探せる。自分流の、のんびりした川の探索。この日、午後からゆっくりと川のあちらこちらを見て回る、ほとんどロッドを振ることもなく。平日の為か、釣り人は一人としていない。
釣りのイメージが沸き起こらないまま、夕刻となる。あきらめて帰ろうかという間際に、ようやく自分の釣りになりそうな流れが目に入る。見落としていた場所。川岸は、全く踏み跡のない処女地。流れをしばらく眺めて、定位点を見定め、1キャスト。2キャスト。わずかに立ち位置を下流に変え、3キャスト目。鱒は応えてくれた。
サクラマス60cm:UFM/STS-84MN-HSi+04ステラC3000+ファイヤーライン18lb+バリバス・トラウトショックリーダー・フロロ20lb+WLスナップ
ヒットルアー:バスディ・シュガー2/3ディープSG85F
少し鱗がハラハラと落ちる鱒を川に戻す。まだ時間は十分。日の傾きから、魚の休息点に見当を付ける。2キャスト。先程と全く同様に、ラインが張り、ロッドは曲がる。同じように、ミノーはリップから吸い込まれ、フロントフックはしっかりと蝶番に掛かっていた。少し顔つきの似た二匹の鱒。
サクラマス58cm:UFM/STS-84MN-HSi+04ステラC3000+ファイヤーライン18lb+バリバス・トラウトショックリーダー・フロロ20lb+WLスナップ
ヒットルアー:バスディ・シュガー2/3ディープSG85F
肌寒い翌朝、手始めに緩流帯を釣る。冷気のせいか、鱒の動き出しは遅いのか、無反応。日が差し始めた頃、瀬に向かう。水位は低下傾向、鱒はフィッシングプレッシャーから、流れの早い場所に退避しているのかも知れない。
ミノーを交換し、川岸の草のわずかな隙間からロッドを出す。キャストはコンパクトに、ルアーの着水は静かに、誘いは軽やかに。まるで里川のヤマメ釣りのようだ。着水点、ミノーの動きを微妙に変えつつ、川からの反応を待つ。何か足りないのかと気持ちが揺らぎだす5投目。流れの中に、ラインが止まる。厚く太い流れの中の、力強い手応え。動きの方向を確かめ、魚を暴れさせないように、丁寧な竿の操作を心掛ける。ゆっくりと鱒はネットに収まり、同時に針は鱒の口から外れた。危うかった。まさに間一髪の一匹。
鱒は元気に、カメラのレンズに水飛沫を浴びせる。そうして元気なまま、川に戻って戴く。
サクラマス62cm:UFM/STS-84MN-HSi+04ステラC3000+ファイヤーライン18lb+バリバス・トラウトショックリーダー・フロロ20lb+WLスナップ
ヒットルアー:ティムコ・シュマリMD90F
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